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高炉
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(東京、日本、2025年3月31日)日本製鉄による、鹿島地区(茨城県鹿嶋市)の高炉廃止を受け、以下の通り声明を出した。
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(2025年1月23日、東京)原料炭を使用した鉄鋼業界への融資を続ける金融機関等に、ますます厳しい目が向けられている。新たに発表された調査によると、18か国で160社が252件の原料炭鉱拡張プロジェクトを進めている。これらのプロジェクトが全て実現すれば、年間5億5100万tの原料炭がさらに生産されることになる。これに伴い、年間9億7600万tのCO2が追加で排出され、原料炭生産量とCO2排出量がともに50%増加する見込みとなる[1]。
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鉄鋼と気候における重要な論点とは? 鉄鋼は、硬く強く光沢がある金属で、現代社会に欠かせない素材である。現代のインフラや経済の基盤を支え、風力タービンや太陽光パネル、電気自動車、環境に配慮した建物など、持続可能な未来に向けた「グリーン移行」において重要な役割を担っている。
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鉄鋼の品質要件における重要な論点とは? 自動車産業の品質基準を満たすためには、石炭を使用する高炉で生産された鉄鋼が必要だという根強い定説がある。気候変動対策として、鉄鋼業界に環境負荷の少ない生産方法への移行が求められている今、この定説が高炉での生産を続ける理由として主張されてきた。
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2024年も終わりに近づく中、鉄鋼業界の脱炭素化に対する楽観的な見方は薄れつつあるように感じられる。気候危機の影響が加速する中、排出量は依然として減らず、業界内の議論は気候変動対策よりも貿易保護対策に重きが置かれ、各国政府や企業の脱炭素化への野心は揺らぎ始めている。しかし、一歩引いて全体を見渡せば、暗い話ばかりではなく、2024年は、転換点を迎えた年だとも言える。現状に生じた亀裂が否定できないものになりつつある。
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日本製鉄は「Super COURSE50」というブランドを掲げ、高炉への加熱水素吹込みと炭素回収を組み合わせることで、製鉄所からのCO2排出を削減し、気候変動対策を実施しているとしている。
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(東京、日本、2024年8月30日)日本製鉄が、米国ペンシルバニア州モンバレー製鉄所およびインディアナ州ゲイリー製鉄所での石炭を利用した鉄鋼生産への追加投資を行う意向を発表したことを受け、USスチール買収を確実にするための必死かつ危険な試みであるとし、国際気候団体スティールウォッチは以下の通り声明を出した(1)。
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世界第4位の鉄鋼会社である日本製鉄は、石炭を原料とする製鉄への依存のため、気候変動対策で国際基準を満たせず、競合他社にも遅れをとっていることが明らかになった。
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その時代が終わりつつある石炭を使い続ける企業は、業界をリードできるのか? 脱炭素問題の解決には、社会全体を動かすための様々な取り組みが不可欠であり、業界をリードする当社(日本製鉄)でしか成し得ない、全社の総力を挙げて挑戦するテーマです https://www.nipponsteel.com/news/20240401_200.html これは今年4月に、日本製鉄の社長から新入社員へ贈られたメッセージだ。日本製鉄が全力で脱炭素に取り組んでいる――それは本当なのだろうか? 鉄鋼業界全体を見てみると、日本の鉄鋼内需は1990年をピークに縮小を続けている。 厳しい未来に直面する日本製鉄は、国際市場に目を向け「グローバルに成長機会を掴み、脱炭素の先駆者となって、総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」になることを目指している。日本製鉄は広告でも「脱炭素化のパイオニア」と謳ってきた。 しかし、本当にそうなのだろうか。実際には日本製鉄は、世界的に遅れをとっている。同社のカーボンニュートラル・ビジョン2050は、炭素を排除するものではない。 真にクリーンな解決策で置き換えるのではなく、石炭汚染を改修する高価な技術で排出量を削減するだけなのだ。 石炭でつくられる鉄は「地球にやさしい」とは言えない 問題の核心は石炭だ。 鉄鋼業は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の約7%、世界のCO2排出量の11%を占めており、その主な原因は鉄鋼生産における石炭、特に高炉で使われる原料炭である。 高炉でつくられる1トンの鉄鋼は、平均2.3トンのCO2を排出する。 急速に脱炭素化が進む世界において、これでは未来はない。さらに原料炭は採掘時や製鉄時のCO2排出のみならず、燃焼時に環境汚染や健康被害を引き起こすことが知られている。 石炭の時代は終わりつつあるのだが、日本製鉄は石炭を燃やし続けることを選択しており、その気候変動対策計画は驚くほどグローバル基準に合っていないと言わざるをえない。金融格付け会社MSCIは、新日鉄の計画は破滅的な3.2℃の地球温暖化に沿ったものだと述べている。 一方、すでにライバルたちは石炭からの脱却を始めている。 日本製鉄、問われる国際競争力 韓国の鉄鋼大手ポスコはオーストラリア政府と緊密に協力し、オーストラリアでグリーン製鉄施設を開発している。 スウェーデンのH2スチールなどの企業は、石炭を完全に「再生可能水素」(再生可能な電力で電気分解して製造される水素のこと)に置き換える新製法に切り替えて鉄鋼生産を始めている。 中国の鉄鋼メーカーも水素ベースのDRI製鉄を進めている。 米国政府は、「重工業からの二酸化炭素排出を削減するための新技術に最大60億米ドルを支出する」ことを計画しており、化石燃料を使用しない水素直接還元鉄(DRI)技術であるHYBRITを使用した最初の商業規模の施設を建設するための支援を発表した。 石炭を原料とする鉄鋼の終焉は避けられず、日々その勢いを増している。 クリーンな鉄鋼への移行は世界的に進んでいるが、日本製鉄は取り残されつつある。 日本国内だけで11基の石炭高炉を操業しており、2050年までに石炭を使った生産を段階的に廃止する計画はない。 また、インドでは合弁で2つの高炉を新設し、カナダとオーストラリアでは炭鉱に投資している。世界の他の地域が石炭を使わない技術に移行する中、日本製鉄は依然として石炭が製鉄に不可欠だと考えている。 このような未来と逆行した状況で、日本製鉄に社会貢献は可能なのだろうか。 気候変動対策なくして社会貢献はありえない時代へ さらに日本製鉄がUSスチールを買収し、世界第3位の鉄鋼メーカーになろうとしていることは、非常に危惧すべきことである。同社のこれまでの気候変動に関する実績から、気候変動対策で正しい行動をとることを信頼できるのだろうか? もし石炭を燃やし続けるのであれば、急激に変化し、急速に脱炭素化が進むこの世界で、将来にわたって事業を維持し、競争力を維持することができるのだろうか? しかし、チャンスはまだ残されている。今なら日本製鉄はそのリーダーシップを発揮し、将来に向けてクリーンで国際競争力のあるビジネスを構築できる時である。労働者、地域社会、そして地球がそれを期待している。 私たちをフォローして、この問題についてもっと学ぼう。 X LinkedIn(英語) …