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スティールウォッチ「わかる鉄と脱炭素」シリーズ
なぜ、鉄鋼は気候変動に大きな影響をもたらすのか?鉄鋼業界が実に世界のCO2排出量の11%も占めているのは、どうしてなのか?
鉄鋼の脱炭素化において、気候変動の観点から何が正しく、有益な情報なのかを理解するのは容易ではありません。生産工程でよく耳にする、高炉-転炉法、電炉、水素直接還元製鉄の違いとは?それぞれの生産方法から作られる鉄鋼はどう違うの?水素は気候変動対策で有用と言われるけど、なぜ高炉で水素を使うのは「悪い」の?
今日の鉄鋼業界は、脱炭素化の難しさを主張していますが、どの情報に確かな根拠があり、どの発言が後ろ向きな視点に立っているのかを見極めることが重要です。
スティールウォッチ「わかる鉄と脱炭素」シリーズは、複雑に絡み合った問題を整理し、業界で広く語られる主張を正確に検証することで、鉄鋼業界の脱炭素化を推進することを目的としています。
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グリーンアイアンにおける重要な論点とは? 従来、製鉄工程(ironmaking)と製鋼工程(steelmaking)は「一貫製鉄所」に代表されるように同一敷地内で連続的に行われてきた。しかし、脱炭素化と再生可能エネルギー(再エネ)を基盤とする経済への移行が進む中で、鉄源の生産方法や生産地は大きな変革の時を迎えている。
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原料炭における重要な論点とは? 「原料炭」は、鉄鋼の生産過程で使用される石炭を指す。特に、高炉での製鉄にはこの原料炭が用いられており、鉄鋼業界における温室効果ガス(GHG)排出量の主要な要因となっている。 一般社会において、原料炭の認知後は低く、専門家以外にはほとんど知られていない。また、その定義も様々で、分かりにくいのが現状である。
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鉄鋼と気候における重要な論点とは? 鉄鋼は、硬く強く光沢がある金属で、現代社会に欠かせない素材である。現代のインフラや経済の基盤を支え、風力タービンや太陽光パネル、電気自動車、環境に配慮した建物など、持続可能な未来に向けた「グリーン移行」において重要な役割を担っている。
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鉄鋼の品質要件における重要な論点とは? 自動車産業の品質基準を満たすためには、石炭を使用する高炉で生産された鉄鋼が必要だという根強い定説がある。気候変動対策として、鉄鋼業界に環境負荷の少ない生産方法への移行が求められている今、この定説が高炉での生産を続ける理由として主張されてきた。
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鉄鋼とグリーン水素における重要な論点とは?近年、グリーン水素が気候変動対策として過度に期待され、急速に注目を集めていたが、現実の課題に直面するにつれ、今ではその熱が急速に冷めつつある。しかし、この浮き沈みの中で重要な事実が見落とされるリスクがある。