日本製鉄
日本製鉄の脱炭素、同社のグローバル拡大規模に対し不十分
日本製鉄は急激にグローバル拡大を進める一方、その増大する責任に応じた気候変動対策が不十分であることが明らかになっている。
2025年6月のUSスチール買収完了後、日本製鉄が管理・削減すべき排出量は買収以前に比べて3割以上増加した。同社は電炉拡張を打ち出す一方、実際には生産の大部分が依然として石炭に依存しており、その脱炭素化ロードマップでは、2040年代になるまで大幅な排出削減は見込まれていない。
これは、国際的な気候変動対策にとって極めて重要な今後10年間において、脱炭素化技術が導入されないことを意味する。また、同社が追求している技術自体が、石炭を利用する生産の延命を助長しているという事実に目を向ける必要がある。
日本製鉄は、米インディアナ州ゲーリー製鉄所第14高炉リライニング回収を決定しており、さらには炭素回収・貯留(CCS)のような実験的かつ高コストな技術を用いて、日本国内の石炭高炉を稼働させ続ける計画を持っている。さらに、他拠点での排出削減を割り当てることで、実際には石炭由来である鋼材を低排出な鋼材として販売する「GXスチール」の推進に重点を置き、低排出技術への転換の先送りしている。
気候危機の視点から日本製鉄に求められる道は明確だ。石炭に依存した設備については寿命を迎える前に段階的廃止を進めるとともに、ニアゼロ・エミッションの製鉄技術に向けた早期かつ大規模な転換が不可欠である。
企業概要
日本製鉄は世界最大級の鉄鋼メーカーの一つであり、自動車、インフラ、産業分野を顧客とする。高炉一貫製鉄所を運営し、圧延や仕上げなどの工程も行っている。同社は脱炭素化への取り組みとして、電炉(EAF)の導入、高炉への水素吹き込みの実証試験、CO2の分離回収(CCU)、および直接還元製鉄(DRI)の研究開発などに投資している。また、原料権益を確保による垂直統合の強化を進める一環として、石炭鉱山にも大規模な投資を行ってきた。同社は、2013年度比で2030年までにCO2排出量を30%削減し、2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に掲げている。「グローバル1億トン」ビジョンを掲げ、積極的に海外進出を図っており、2025年6月にはUSスチールの買収を完了した。
気候変動に関する重要なタイムライン
2023年8月4日
Super COURSE50が試験でCO₂排出量22%削減効果を実証
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