出版物一覧:
論説
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鉄鋼業界は「鉄鋼産業の排出削減は困難だ」との立場を長年守り続け、その不十分な気候変動対策への責任を問われることが限られていた。また、緊急性を伴う脱炭素化への取り組みとは、具体的にどのような行動を指すのかを精査するのは難しく、企業データは複雑な報告書や断片的な情報開示に埋もれ、実際に進展を見せている鉄鋼メーカーがどこか、把握することは困難だった。これらの課題を払拭するために発表された新ツールは、主要鉄鋼メーカーの脱炭素に向けた進捗を比較分析し、気候危機下に求められる行動を明らかにする。
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2025年、鉄鋼業界のニア・ゼロエミッションへの移行は、世界全体でほとんど進展が見られなかった。関税引き上げ、価格低迷、先行き不透明な政策支援策、そして安全保障をめぐる議論の中で鉄鋼が各国の政治争点になる動きなどが業界を大きく左右する中、脱炭素化を決定付ける動きに乏しい1年となった。
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世界的な気候変動対策として、昨今石炭を利用する鉄鋼メーカーの多くが電炉(EAF)の建設を発表、または着工を開始している。アルセロール・ミッタル社はスペイン・ヒホンで電炉を建設中、そして最近フランス・ダンケルクでも電炉建設計画の再開を発表した。オーストリアの鉄鋼メーカー、フェストアルピーネ社は2基の電炉(ドナヴィッツおよびリンツで1基ずつ)を設置中、2027年の稼働を予定している。
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アルセロール・ミッタル社は、2025年5月6日にルクセンブルクで開催された定時株主総会の議事録を公開した。この議事録には市民社会団体などからの質疑への応答が含まれており、それらは、同社の広報活動に反して、気候変動対策におけるリーダーシップからの後退を意味するというスティールウォッチによる以前からの警告を裏付けている。
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6月18日、日本製鉄による米国鉄鋼大手USスチール社の買収が正式に完了した。約149億米ドル(約2兆円)にのぼる買収提案は、国家安全保障をめぐる1年半に及ぶ政治的議論の末に承認された。注目されるのは、この買収額に加えて、日本製鉄が発表した140億米ドル規模の設備投資という巨額な投資額だ。しかし、より重要な問いは、この投資額を何にどう振り分けるのかという点だ。脱炭素と海外展開の両立を図る転機となるか、それとも従来の石炭依存路線を引き継ぐのか。その選択が、今まさに問われている。
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オーストラリア・西オーストラリア州は、投資誘致基金「Investment Attraction Fund」の一環として、脱炭素関連の鉱業プロジェクト3件に対し、総額3400万豪ドル(約32億円)の助成金を給付すると発表した。
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日本製鉄は気候に悪影響を及ぼす取引を提案していた。この取引が頓挫した今、世界第4位の鉄鋼メーカーとして、戦略を見直す時を迎えている。
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日本において「グリーン」な鉄鋼製品の市場を推進するには、買い手が低炭素製品に対価を支払うという意思を示すことが一つの重要要素として挙げられる。日本政府は、主要な鉄鋼の買い手として、グリーン購入を通じて、市場形成を促し、低炭素技術への投資を後押しすることができる。
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2024年も終わりに近づく中、鉄鋼業界の脱炭素化に対する楽観的な見方は薄れつつあるように感じられる。気候危機の影響が加速する中、排出量は依然として減らず、業界内の議論は気候変動対策よりも貿易保護対策に重きが置かれ、各国政府や企業の脱炭素化への野心は揺らぎ始めている。しかし、一歩引いて全体を見渡せば、暗い話ばかりではなく、2024年は、転換点を迎えた年だとも言える。現状に生じた亀裂が否定できないものになりつつある。
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円安による海外販売利益の増加を背景に、日本の自動車メーカーは24年3月期決算で、おおむね好業績が予想されている。トヨタ、ホンダ、スズキなど複数の大手企業はいずれも最高益を更新する見通しだ。 他方、代表格のトヨタの現状のビジネスモデルは「残存者利益だ」との専門家の指摘もある。残存者利益とは、過当競争や収縮傾向にある市場で、競争相手が撤退したあと、生き残った企業のみが市場を独占することで得られる利益をいう。
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解説: この論説は、2024年1月9日に日本語で発表された記事に基づいて作成されたものである。 昨年末に発表された日本製鉄によるUSスチール買収は、日本製鉄、鉄鋼業界、そして日米双方の脱炭素化計画にとって重要な転換点となる。 日本製鉄にとっては巨額の支出であり、また日本のトップ鉄鋼メーカーから世界のプレイヤーへの戦略的転換を示すとともに、同社が鉄鋼業界の脱炭素化の足かせとなるリスクもはらむ。
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著名な鉄鋼会社4社が、石炭を原料とする鉄鋼の生産に使用される高炉の再整備計画を発表した。SteelWatchとSolutions For Our Climate (SFOC)は、鉄鋼会社による石炭ベースの鉄鋼生産への憂慮すべき投資が、数百万トンの追加排出を引き起こし、各国の気候変動公約に反していることを明らかにした。 この論評は、より環境に優しい選択肢への移行と、石炭を原料とする鉄鋼生産を避けるための投資選択における気候変動監視の強化が急務であることを強調している。 また、これらの企業の競争力や地球の安定性にも影響を与えることを強調している。