鉄鋼業界における気候変動への緊急性を高める警戒的な声
課題は何か – 世界の鉄鋼産業には、住みよい気候を維持する人間の能力を引き出す力も、それを壊す力もあります。いまだに石炭に依存するこの産業だけで、世界全体の温室効果ガス年間排出量の7%、CO2排出量の11%を占めています。世界の大手鉄鋼メーカー各社は数十年後に排出量を削減すると約束していますが、その動きはあまりにも遅すぎます。この業界は、気温上昇を1.5℃以下に抑えることにまったく貢献していません。今日の製鋼への投資は数十年先まで残るので、一つ一つの選択が重要です。今こそ、非常に大きな目標を持つべき時なのです。
変化のためのビジョン
私たちのビジョンは、ゼロエミッション経済を支え、そして環境や地域が栄え、労働者が生き生きと暮らすことを可能にする鉄鋼産業です。
私たちのミッションは、鉄鋼業界の脱炭素化に向けた変革を加速させることを目指しています。
まず重点を置くのは、2030年までの間に鉄鋼業界が気温上昇を1.5℃以下に抑える軌道に乗るよう強く働きかけることです。
変革の道のりは容易ではなく明確でもありませんが、別の道(現状への安住や変革への抵抗)を選べば、それは大惨事を意味します。
変革における私たちの役割
鉄鋼業界が野心的な目標を持ち、説明責任を果たすよう促す
私たちは迅速かつ大規模な排出量削減を強く求め、段階的な進捗で十分だという説明に異議を唱えます。必要なことと、今起きていることとのギャップに光を当てます。
世界的なアドボカシーを強化する
私たちは、透明性のある、公正な、ゼロエミッションの鉄鋼業界を目指すキャンペーンを各国内の企業に対して展開する動きを支援し、つなぎ、強化します。
企業に行動を促すキャンペーンを行う
私たちは鉄鋼企業を注意深く監視し、積極的に声を上げて鉄鋼企業に働きかけ、責任を問い、各企業、各工場に実行を伴う変化を求めていきます。
私たちが大事にする価値
真実
私たちは、世界的なレベルで鉄鋼業界からの排出削減の速度と規模を促進するために取り組んでいます。わずかな変化では十分ではないという考え方に疑問を投げかけます。
人間と地球
真のサステナビリティとは、より広範な問題への対処を意味するものであり、ただCO2排出量を削減するだけでは十分ではありません。私たちは世界の鉄鋼産業に対して、環境汚染の影響を受ける製鋼工場や鉱山の近隣住民から、労働者、鉄鋼産業の慣行によって権利を侵害されてきた先住民族の人々まで、すべてのステークホルダーのために取り組むよう要求します。私たちは、これらの人々の声がしっかりと届き、決定が下される場に参加できるように努めます。
協力
インパクトとは、仲間同士が支え合い、それぞれの力を増幅させることによって得られるものです。私たちは、人々が鉄に関する意思決定者に挑み、影響力を及ぼすことができるように活動を進めていきます。最も大きなリスクを負う人々をしっかりと守りながら、信頼、つながり、尊重、相互利益に基づく関係性を育みます。
時間
時間は、極めて乏しい資源です。今日、投資に失敗すれば、私たちはこの先何十年も排出量の高い世界から抜け出せなくなり、気温上昇を1.5℃以下に抑えることは不可能になってしまいます。私たちは、1.5℃以下に抑える軌道に乗るために2030年までに必要な変化に重点を置いて取り組みます。
変化
私たちが得ようとするインパクトであり、成功を測る指標となるのは「変化」です。極めて大規模に、前例のない速度で変化を実現するには、これまでとは異なる考え方を進んで受け入れ、速やかに学ぶことが求められます。市場から意識まで、変化を起こせる場は数多くあります。私たちは、最も大きな価値をもたらすことのできる分野に重点を置きます。