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2024年、鉄鋼セクターの脱炭素化は進展したのか?

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2024年も終わりに近づく中、鉄鋼業界の脱炭素化に対する楽観的な見方は薄れつつあるように感じられる。気候危機の影響が加速する中、排出量は依然として減らず、業界内の議論は気候変動対策よりも貿易保護対策に重きが置かれ、各国政府や企業の脱炭素化への野心は揺らぎ始めている。しかし、一歩引いて全体を見渡せば、暗い話ばかりではなく、2024年は、転換点を迎えた年だとも言える。現状に生じた亀裂が否定できないものになりつつある。

2024年12月

2024年も終わりに近づく中、鉄鋼業界の脱炭素化に対する楽観的な見方は薄れつつあるように感じられる。気候危機の影響が加速する中、排出量は依然として減らず、業界内の議論は気候変動対策よりも貿易保護対策に重きが置かれ、各国政府や企業の脱炭素化への野心は揺らぎ始めている。しかし、一歩引いて全体を見渡せば、暗い話ばかりではなく、2024年は、転換点を迎えた年だとも言える。現状に生じた亀裂が否定できないものになりつつある。

鉄鋼業界の脱炭素化が抱える問題は依然として膨大だ。鉄鋼業界は、年間37億トンのCO2を排出しており、排出量がピークに達する兆しは見えていない1。鉄鋼生産は現状ですでに、残されたカーボンバジェット(炭素予算)の4分の1近くを2050年までに消費することが確実視されている。にもかかわらず、今年一年の間に、石炭を使用する高炉が新設されたり既存高炉のリライニング改修が行われ、今後数十年間にわたって排出量がロックイン(固定化)されることは免れない。2024年、世界中で猛烈な山火事、壊滅的な洪水、焼け付くような熱波が発生し、気候変動によってすでに数百万人もの命が犠牲になっており、このままでは今後さらに深刻化する。

米国での政治的逆風や中国の鉄鋼供給過剰の影響は、いずれも国境をはるかに越え業界全体に広がっている。欧州に暗雲が漂っているのは明白で、鉄鋼業界は非常に困難な局面に直面している。なかなか進まない脱炭素化よりも、差し迫る課題への対処について盛んに議論されている。何千人もの労働者が失業の危機に直面する中、その非難の矛先として脱炭素化が矢面に立たされている。一方、日本においては、石炭に依存する従来通りのビジネスモデルが今も根強く残っており、停滞感が否めない。

しかし、2024年の全体像に目を向けると、鉄鋼業界はおそらく、少なくとも転換点に差し掛かっているとスティールウォッチは見ている。2024年に生じた亀裂は、今後止めようのない変化につながり得る。

脱炭素化を示す指標は進展しているのか?

今世紀に入り、鉄鋼生産によるCO2排出量は2倍超増加した。2024年のデータは依然として、排出量が減るどころか増えていることを示しており、2022年から2023年の鉄鋼生産による直接排出量と排出原単位は2%超増加している。

一方、鉄鋼総生産量、原料炭総消費量、稼働中の高炉の総数など一部の指標は、横ばいになりつつある。また、中国において、鉄鋼総生産量、高炉による鉄鋼生産量、鉄鋼業界の排出量がピークを迎えた可能性があると見られ、鉄鋼業界全体の総排出量増減に大きな影響を及ぼすだろう。

鉄鋼の脱炭素化傾向を示す指標 〜どの指標が悪化し、どの指標が改善しているか

出典:悪化(IEA, 粗鋼1トンあたりの排出量2, GEM, インド3・東南アジア4・世界における高炉の生産能力5)。横ばい( worldsteel, IEA稼働中の高炉6)。改善( Centre for Research on Energy and Clean Air, Science Based Targets Initiative7, ResponsibleSteel8).

鉄鋼の新規生産能力に関する入手可能なデータについては、慎重に精査しなければならない。良いニュースと悪いニュースが混在するからだ。(石炭を使用する)高炉は依然として建設されているため、今後数十年間にわたり排出量が固定化されてしまう。先進国では、高炉が休止または廃止されているが、新興経済国特にインドでは、新たな建設が進められているため、わずかとはいえ高炉の生産能力は依然として増加傾向にある。

世界的に見ると、(2024年に)新たに発表された生産能力のうち、高炉と直接還元炉(DRI炉)の割合は1.5対1の比率で、今なお高炉が上回っている9。これは大きな課題だ。一方で、新たな排出量の高い設備が発表されるペースは鈍化し、高炉とDRI炉が占める割合の差は縮小しつつある。これは進歩と言える。

DRI炉の新規設備投資に関する発表も増えており、それら設備のほとんどが水素対応(実際に水素を使用もしくは水素使用への移行が可能)だ。しかし、欧州では新規案件の約80%が未だ最終投資決定(FID)に至っておらず、(主に化石燃料ガスを使用したDRIから)水素使用へ移行するタイムラインに関しても定かではなく、さらに遅れが生じている状況だ。

正しい方向に進んでいる指標は確かにあるものの、ごくわずかであり、ゼロからのスタートだ。2024年が終わりを迎える中、(水素使用への移行が可能であるだけではなく)水素を実際に使用するDRIプロジェクト3件が進行している10。SBTイニシアティブ(SBTi)の認証を取得した気候目標を掲げる鉄鋼メーカーは7社。レスポンシブル・スチール認証を取得した鉄鋼製品は1件だ。規模は小さいものの、これら新たな動きは変化の兆しである。

変化の兆し

鉄鋼業界の排出量が転換点に差し掛かろうとする中、個々の出来事から傾向を見極め、点を線で結んで全体像を示すことは容易ではない。変化の速度を示す曲線の傾きが変わろうとしているように見えるが、問題はそのスピードだ。そこで、単独の出来事であるものの、2024年に起きた「変化の兆し」を我々の視点から考察することで、今後の傾向を読み解く示唆としたい。

2024年は、後退する局面が多く見られた。

(鉄鋼の脱炭素化に向けた)政治的な意気込みが高まりを見せるが、一転し、ぐらついた一年であった。米国では、超党派のインフラ投資法やインフレ抑制法(IRA)の下で産業の脱炭素化が大きく前進したが、その後、グローバル外交や産業界の脱炭素化への連邦補助金を縮小する公約を掲げたドナルド・トランプ氏が再選した。欧州連合(EU)では年明けとともに、排出量取引、企業のデュー・ディリジェンス、サステナビリティ報告に関する規制の構築が意欲的に進められた。しかし、今年も幕を閉じようとする今、野心的な気候変動対策を遅らせかねない政治やポピュリストによる逆風が強まっている。6月のG7サミット(主要国首脳会議)では原料炭の段階的廃止に合意することができず、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)での産業の脱炭素化についてはもう1年、ブラジルで開催されるCOP30での強力な働きかけを待つばかりである。

中国の供給過剰、それに伴う各地域への輸出量が二桁台の急増をしたことにより、市場にさまざまな課題がもたらされ、市場は縮小および後退することとなった。これらの差し迫った課題は深刻なものである一方、長期的な視野に立った脱炭素化の取り組みと複雑に絡み合い11、一刻の猶予もないクリーンな鉄鋼への移行を遅らせる言い訳として幾度となく持ちだされた。

2024年にはグリーン水素への世界規模の過剰な期待も崩壊した。これはある意味、好ましいことである。グリーン水素がもてはやされ、その多くが適切に使用されてこなかったことを考えると、水素に対する膨らんだ期待を適正化するには大いに必要であった。(CO2削減の観点から)グリーン水素の使い道12として、鉄鋼の脱炭素化が最も有用であるが、現在のところ生産量はほぼゼロに近く、コストも見込みよりも高い水準にとどまっている。

さらに、鉄鋼の脱炭素化の取り組みは先延ばしにされている。特に、アルセロール・ミッタル社は、巨額の政府補助金を確保しているのにもかかわらず、欧州での脱炭素化計画をすべて延期すると発表したばかりである。

前向きな変化の兆し

私たちは、機会をもたらす6つの重要な「変化の兆し」も目にしている。それだけで業界を変えることはできないが、これらの兆しは、現状に生じた亀裂であると同時に、今後の傾向を示すものであり、鉄鋼業界を気候の安定化に向けた軌道に乗せるために必要な、いわば構造的な変革に発展する可能性を秘めている。

1.中国で石炭を使用した製鋼設備の新規許可が出されなかった

2024年上半期は、中国における脱炭素化の潜在的な転換点を示す時期となった。この半年間、石炭を使用した製鋼設備の新規許可が一切出されず、1月から6月にかけて認可されたのは電炉(EAF)のみであった。石炭を使用する転炉(BOF)の新規許可がなかった初めての半年間となった。

その後も政策の方向性は継続している。8月には、鉄鋼生産能力の更新に関する政策の延期が発表された。つまり、入手可能なデータから知る限り、2024年に石炭を使用する製鋼設備は認可されなかったことになる。

さらに、DRI炉の建設が進み、電炉による鉄鋼生産の割合は2025年に急増すると推定される13。水素を使用する鉄鋼生産に70億米ドル超の資金が投じられ、河鋼集団(120万トン規模のDRI試験プロジェクト)、中国宝武鋼鉄集団、晋南鉄鋼集団などの数社が試験的導入を成功させている。事業実現へのこうしたプロセスは、「中国が2030年までに、低炭素の一次鋼材について年間15~20百万トンという世界トップレベルの生産量を実現させる軌道に乗る」ことを示唆している。

中国の生産量はおそらく予定よりも早くピークを過ぎているため、今問われているのは、中国がグリーンスチールの先駆者に躍り出るかどうかである。

2.フォーテスキュー社が中国に年間1億トンのグリーンアイアンを供給する目標を設定

世界第4位の鉄鉱石採掘会社フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)のアンドリュー・フォレスト会長は6月、中国の首相がオーストラリアのパースを訪問している際、グリーンアイアン(green iron)を年間1億トン供給するという野心的な目標を目指すと再び明言した。グリーン水素の工場はすでに運用を開始しており、8月にはグリーンアイアンを生産するパイロットプロジェクト「グリーンメタルプロジェクト」の建設がピルバラ地域で始まり、2025年に最初の生産が予定されている。

フォーテスキュー社の現在の生産量の大半は、低品位の鉄鉱石である。この野心的な取り組みが進めば、DRIによる製鉄に低品位の鉄鉱石を使用する技術の開発につながり、世界的な影響をもたらすだろう。

また今年は、海を越え、企業の垣根を越えたグリーンアイアンの取引の最初の事例が出現した。ドイツの自動車部品メーカーであるベントラー社は、HyIron社との間で年間20万トンのグリーンなホットブリケットアイアン(Hot Briquetted Iron:HBI)の長期供給契約を締結した。HyIron社は、ナミビアで2025年初めに操業開始予定の水素直接還元製鉄(H2-DRI)プラントを建設している新会社である。

3.トルコのトスヤル・ホールディング社とリビアのユナイテッド・スチール・カンパニー社が大型DRI契約に調印

トルコの鉄鋼メーカーであるトスヤル・ホールディング社は7月、リビアのユナイテッド・スチール・カンパニー社と共同で世界最大規模のDRI製造施設を建設する契約に署名した。リビアを拠点とするこの施設では近隣諸国やEU向けのHBIを製造する予定で、当初は天然ガスを使用し、徐々に水素に移行するとしている。

これは、中東・北アフリカ地域(MENA)で相次ぐ発表や開発の一例である。依然として天然ガスを使用するプロジェクトが主流であるものの、エムスティール社とマスダール社のパイロットプロジェクトでは、アブダビ首長国でグリーン水素DRIによる鉄鋼生産をすでに行っており、プロジェクト全体で水素対応技術の導入に明確な焦点が当てられている。

MENA地域では40年前からDRI技術を用いる製鉄が行われてきた。2030年には世界のDRIによる生産能力の3分の1超を占めると予測され、これはEUの生産能力の4倍近くに相当する。2024年にグリーン水素DRIの機運が高まれば、グリーンアイアン生産における主導権争いが新たに展開される可能性がある。

市場や採掘企業にとっても、DRI開発の競争がはじまっていることは周知の事実だ。ブラジルのヴァーレ社と英アングロ・アメリカン社は、高炉に使用する低品位鉄鉱石への需要が長期的な減少傾向に突入した一方で、DRIに使用する高品位鉄鉱石への需要は長期的に増加すると予測し、その対応策を強調した。

4.インド政府鉄鋼省が報告書「Greening the Steel Sector(仮題:鉄鋼セクターのグリーン化)」を発表

インドは、汚染度が最も高くかつ、最も急成長を遂げている鉄鋼生産設備を擁している。そのため、蓄積される排出量による影響が今後数十年間にわたり継続し、鉄鋼のカーボンフットプリントにとって依然として大きな課題である。同国は2070年までにネットゼロを達成する目標を掲げているが、これほどの期間があっても石炭を使用する鉄鋼生産の急増によってその目標は脅かされている、とグローバルエナジーモニターはつい先日警告した14

とはいえ、2024年にインドでグリーンスチールに関する初期の動きが見られた。インド政府は9月に、鉄鋼業界の未来を形づくるためのロードマップを作成し、その報告書で移行を加速させるのに必要なツールを分析し、今後取るべき政策の枠組みを示している。

さらに、12月に発表予定のグリーンスチール分類法(タクソノミー)は、3段階の星評価システムを構築し、公共調達の指針となるだろう。これに続き、インド政府は「National Mission for Green Steel(仮訳:グリーンスチールのための国家ミッション)」の策定を計画しており、鉄鋼業界における再生可能エネルギー導入の支援から低排出技術の実証推進まで、政策・財政の両面で利用可能な支援をより明確に打ち出す。現時点では、JSWスチール社、ジンダル・スチール&パワー(JSPL)社、Matrix Gas and Renewables社などが進めるグリーン水素と天然ガスを混合して使用するDRI実証プラントが3基あることが分かっている。

わずかな一歩だが、歩みは始まっている。

5.ステグラ社の水素直接還元製鉄(H2-DRI)プラントが着実に拡張されている

スウェーデンの町ボーデンにあるステグラ社のH2-DRI用の敷地では、12月の雪が降り積もる中、2026年5月の生産開始に向けて商業規模のH2-DRIプラント建設が急ピッチで進められている。

2024年には、「H2-DRIはスウェーデンだけで可能なもの」と主張することができなくなった。ステグラ社は、同社のH2-DRIの規模拡大プロジェクトが最も進んでいるのはポルトガルであると明らかにした。また、ドイツでは、ザルツギッター社とティッセンクルップ社の両社が、利用されなくなった工業用地で自社のH2-DRI施設の建設に着工している。

建設の進むステグラ社のH2-DRIプラント(©ステグラ社 Andreas Harnemo)

6.INGグループが資金提供の対象から高炉ならびに原料炭を除外

今年初旬、高炉と原料炭採掘への投資を巡る形勢に変化の兆しが見えた。オランダ拠点の銀行であるINGグループは大手銀行として初めて、削減対策なしの高炉の新設や、既存高炉の延命に特化した資金提供を行わない意向を示した。さらに同グループは、原料炭炭鉱の新規開発や既存炭鉱の拡張にも今後、資金提供を行わない。

さらに、高炉への投資に対し、市民社会からの反発が強まっている。多くの鉄鋼メーカーはリライニング改修に関する発表を脚注や財務諸表に隠そうとしてきたが、市民社会組織がそれに気づき、声を上げている。韓国の鉄鋼メーカーであるポスコ社が、遅れていた光陽製鉄所第二高炉のリライニング改修を再開した際、韓国の環境NGOであるSolutions For Our Climate (SFOC)はすぐさま、この高炉の寿命が延びれば、今後15年間にわたり、さらに1億3700万トンのCO2が排出されることになると指摘した。

2024年には、高炉と同様に原料炭にも活動家たちの注目が集まるようになった。原料炭の採掘については、オーストラリアで日本製鉄とJFEスチール社がブラックウォーター炭鉱への投資で風評被害に直面したり、英国カンブリア州ホワイトヘイブンの炭鉱開発計画が大規模な論争の末、2024年9月に計画許可が取り消されたりなど、激しい議論が沸き起こった。

2025年の展望

2025年を迎えるにあたり、鉄鋼業界の最大の関心事は貿易問題であることは周知のことだ。だが、私達がここで挙げた「変化の兆し」は、2025年に注目すべき動向が貿易問題に留まらず多岐にわたるであろうことを示している。例えば、中国、中東・北アフリカ地域、さらにはインドにおけるグリーンスチールへの移行の加速、企業間や企業内でのグリーンアイアン取引の台頭、あるいは鉄鋼業界の排出量がピークを過ぎたことが裏付けられることなどが予想される。そして当然、高炉や原料炭への投資を巡る論争も激しさを増していくであろう。これらのすべてが、変化の道筋に、そしてそのスピードにも影響を及ぼすだろう。

スティールウォッチは、2025年にはスクラップ鉄の争奪戦が激化するとともに、労働者にとって真に公正な移行(just transition)をどのように担保するかに、より重点が置かれると考えている。バリューチェーンがその様相を変え、鉄鋼メーカーが業界の枠を越え変貌していく中で、混乱は避けられないであろう。

特に貿易や国政を巡る混沌とした地政学的分裂は、鉄鋼の脱炭素化の道筋と複雑に絡み合っていく。だからこそ、企業や政府が長期的な視点に立ち、産業の脱炭素化を国境を越え世界規模で進めていくことが、これまで以上に重要になる。リーダーたちは、場当たり的な争いに足かせされるのではなく、明確さと確実性を持って、鉄鋼を、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるという気候目標と整合する未来志向の産業へと導いていかなくてはならない。

鉄鋼の脱炭素化は、待ったなしで、すでに動き出している。ただ、それが壊滅的な気候変動を食い止めるのに十分な速さで進むかどうかが最大の課題だ。政府や企業は、目先の政治的利益や経済的解決策にとらわれず、先を見据え、次の十年で鉄鋼業界を迅速かつ抜本的に変革する責任を担うことを、最優先事項としてとらえなければならない。もはや議論の余地はない。

脚注:

  1. IEA, 2020 Iron and Steel Technology Roadmap, 2020年10月。2019年のこの推計は、直接排出量(2.6 GtCO2)と製鉄所の電力供給に必要な発電に伴う間接排出量(1.1 GtCO2)からなる。
  2. World Steel Association(worldsteel)が発表した世界粗鋼生産量を、IEAのWorld Energy Outlookで推計された鉄鋼業のCO2直接排出量で割ったもの。
  3. Global Energy Monitor, Why India’s ‘build now, decarbonize later’ approach to achieving a net-zero steel industry will fail, 2024年4月。
  4. Global Energy Monitor, Global Blast Furnace Tracker, 2024年4月。ここでの東南アジアはベトナム(16.2 Mtpa)、マレーシア(11.6 Mtpa)、インドネシア(5.8 Mtpa)、カンボジア(4.1 Mtpa)、ミャンマー(4.0 Mtpa)、フィリピン(3.6 Mtpa)である。
  5. Global Energy Monitor, Global Blast Furnace Tracker, 2024年4月。
  6. Global Energy Monitor, Global Blast Furnace, Tracker 2024年4月。この集計には、GEMで「稼働中(operating)」または「廃炉前稼働中(operating pre-retirement)」と表示される高炉が含まれる。「休止(mothballed)」と表示される高炉は含まれない。ただし、GEMによるGlobal Blast Furnace Trackerの最新アップデート以降、再稼働した可能性がある高炉や今後再稼働する可能性がある高炉もある。
  7. Science Based Targets Initiative, Target dashboard, 2024年11月に最終確認。
  8. ResponsibleSteel, Issued and ongoing certifications, 2024年11月に最終確認。
  9. Global Energy Monitor, Global Steel Plant Tracker, 2024年4月。
  10. ステグラ社(旧名:H2 Green Steel)がボーデン(スウェーデン)で、ティッセンクルップ社がデュイスブルク(ドイツ)で、ザルツギッター社がザルツギッター(ドイツ)でDRIプラントを建設中。ティッセンクルップ社とザルツギッター社のDRIプラントでは、はじめは天然ガスを使用し、徐々にグリーン水素の使用を増やしていく。
  11. EuroferとindustriALLの発言を借りれば、「第三国の過剰な鉄鋼生産能力の増大や不公正な貿易慣行は、欧州の鉄鋼セクターの存続を脅かし、欧州でのグリーンスチールへの投資拡大を妨げる」。(A European Steel Action Plan, industriALL and Eurofer, 2024年11月)。
  12. 水素科学連合(Hydrogen Science Coalition)のメンバーである化学エンジニアのポール・マーティン氏は、水素に対する過剰な期待全般に非常に批判的であるが、後悔のないグリーン水素の使用方法の5つのうちの一つに、水素直接還元製鉄(H2-DRI)を位置付けている。出典:Paul Martin, Hydrogen hype is crashing – but we can’t afford to give up on renewable hydrogen, Hydrogen Science Coalition, 2024年8月1日。
  13. CREAによると、電炉(EAF)による鉄鋼生産の割合は生産量全体の約50%に増加する見込みである。
  14. 鉄鋼生産による排出量増加の一因は、合弁事業会社アルセロールミッタル ニッポンスチールインディア(AM/NS India)社にある。同社は現在、石炭を使用する高炉2基を建設中である上、拡張計画も進めており、2035年には現在の生産能力の4倍を超える4千万トン/年まで鉄鋼総生産能力を増やすという野心的な目標を掲げている。AM/NS India社は、共同事業主であるアルセロール・ミッタル社と日本製鉄とは異なり、ネットゼロ達成の具体的な目標期日さえ設定していない。2024年11月にAM/NS India社のウェブサイトを最終確認。

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